非文字資料研究(旧:年報)への寄稿について

『非文字資料研究』への寄稿について

人類文化の研究は、人間それ自身と人間が織り成す社会を研究することを目的とするが、その研究は文字で表現された資料を主な対象として行われてきた。しかし、人間の活動とその結果生み出されるものは、文字で記録されたものに止まらない。絵画・写真・映画・建築・民具・音声などの形で記録されたり、地形や景観あるいは人間の身体それ自身に刻み込まれたりもする。さらに、匂い・しぐさ・味覚・感触など「記録化」することが難しいものも、人類文化を構成する大事な要素である。

非文字資料研究センターは、そのような文字以外の記録及び文字では表現されにくい人間の諸活動を「非文字資料」として体系化し、それを研究する新しい方法を開発し、より包括的な人間と文化の理解にいたることを目指している。21世紀COEプログラム「人類文化研究のための非文字資料の体系化」(2003-2007年度)以来、私たちは、その目的を達成するために<図像><身体技法><環境・景観>のなかから研究課題を絞り込み、共同研究を展開してきた。この共同研究は、歴史学・民俗学はもとより、文化人類学、比較文化論、美術史、建築史、災害史、情報科学などを専門とする内外の研究者によって支えられてきた。

このように多様な学問的広がりを有する非文字資料は、世界各国の地域文化の諸相を具体的かつ可視的に示す絶好の資料であるとともに、資料自体が多層的な時代・地域において蓄積されてきた背景をもっているため、研究方法としても比較歴史的な視点を求めるものであり、ひいては、人類文化研究の総合的・学際的な発展の可能性を有してもいる。 しかし、研究資料の分析指標の設定、意味の解読という困難な作業には、研究概念と成果の普遍性が求められる。また世界共通の標準的・普遍的な研究資料の資料化・体系化を行うには、世界各地域の関連学問分野の研究者による相互検証が不可欠である。本センターの研究活動においても、関係研究者との共同作業を必要としている。

本『非文字資料研究』は、世界の各地域において活躍されている非文字資料研究者からの寄稿を歓迎し、本誌が多分野にわたる研究者相互の学問的遭遇の場として発展するとともに、人類文化の豊かな研究に寄与することを期待する。

エントリー募集期間:前期 1月~3月, 後期 7月~9月
原稿締め切り:前期 3月末, 後期 9月末(その後、査読があります)

申込み先

神奈川大学非文字資料研究センター事務室
E-mail: himoji-info@kanagawa-u.ac.jp
FAX:045-491-0659