データベース

データベースについて

21世紀COEプログラムにおいて、非文字資料に関する9件のデータベースを構築し、学内外の研究者に向けて、ホームページから公開・発信してきた。非文字資料研究センターでの共同研究の成果として蓄積されるデータベースについては、本センターのホームページにおいて、逐次更新・公開していく方針である。

「海外神社(跡地)に関するデータベース」増補改訂版

戦前の日本侵略時代に、アジア太平洋地域に多くの海外神社が創建された。これら海外神社は日本の敗戦とともに、当然のことながらその機能を停止した。敗戦後60年を経る中、海外神社の実態がいかなるものであったかの解明もないまま、永遠に消えさろうとしている。「神奈川大学 21世紀COEプログラム第3班課題3」が作成し、非文字資料研究センターが継承した『海外神社(跡地)に関するデータベース』はかつての海外神社の実態に迫るとともに、敗戦後60余年のあいだに、いかように変容したのかについての資料を収録したものである。今回の更新(増補改訂)にあたっては、『侵略神社』の著者辻子実氏より600点におよぶ貴重な資料の提供をうけた。提供資料にその後の収集資料をあわせデータベースの格段の充実を図った。

只見町インターネット・エコミュージアム 増補改訂版

只見町エコミュージアムは、只見町という一つの地域にある自然、環境、社会、歴史、文化、民俗など住民の生活に関わる情報を統合して発信することを目的として作成している。

現代のIT技術は、「博物館と図書館を統合することを可能とした」といわれるように、多種多様な情報がその情報の性格に応じて多様な形態によって記録され、発信されている現状—たとえば、自然や環境は写真、歴史や社会は文字・書籍、民具や考古遺物は史料館・博物館、芸能・民俗行事は写真や映像というように—を大きく変える可能性を持っている。それはまた、資料と研究成果とを結合することもできる手段を提供する。

地域における人々の生活は、研究対象として設定された事象のモザイクとしてあるのではなく、それらの事象が渾然一体となった一つの全体として営まれてきた。そのような人々の渾然一体となった生活の全体を、分解し、さらに総合するという段階を経て再構成し、発信することが本エコミュージアムのねらいである。そのねらいを達成するための作業が、地域に暮らす人々の自分の地域についての認識を深め、また、研究者に新しい問題を提起することになることを期待している。

現段階では、只見町がすでに収集整理し国指定の文化財となっている民具情報のデータベース化と民具に関する情報の統合にとどまっているが、今後、一層の拡大・充実を図るつもりである。

図像文献書誌情報データベース

図像文献書誌情報データベースは、2005年3月に刊行された『図像文献書誌情報目録』をベースにして構築された。下記、『図像文献書誌情報目録』の「まえがき」から一部を抜粋する。

今回ここに刊行する『図像文献書誌情報目録』は、単なる図像資料の目録ではない。図像資料の多く、特に美術作品は、個人が所有し、また美術館や博物館に収蔵されていて、一般的には直接見ることも、まして写真撮影することもできない。私たちが図像の存在や描かれた内容を知る機会は、原画を直接見るのではなく、美術全集や図録に収録された図版を見ることによって多くが得られる。第2次大戦より前に描かれた図像を復刻したり、翻刻して、あるいは再録して近代に出版物として刊行された文献は非常に多く、それらを通して図像の存在も内容や価値も知るのである。しかし、どの書籍にどのような図像が収録されているかを知る手がかりはない。

この目録は、近代の大量印刷された出版物に復刻・翻刻・再録などされた図像資料の書誌情報である。日本の各時代・各地域の図像資料が、どのような機会にどのような文献のなかに再録されているかを知るための目録である。このような目録は今まで、なかったと思われる。私たちは生活絵引き編さんのための基礎データの必要性から、この調査を始め、ここに昨年度と本年度の作業結果として集めた情報を印刷刊行することにした。もちろんこれは完成したものではない。日本の図像資料で再録され、復刻され、近代の出版物のなかで見ることができるものは、少人数が1年や2年で把握できるものではない。これはごく一部の情報にすぎない。今後も絵引き編さんの作業と並行してこの作業も続け、続編を刊行するつもりである。そして、この情報を広く利用してもらうためにデータベースとして本プログラムのホームページ上でも公開することを計画している。

この目録が、各方面の研究情報として活用されることを期待したい。もちろんデータの採録において種々問題もあるかと考えられるので、忌憚のないご批判をいただきたい。また追加情報をお寄せいただければ幸いである。今後データの修正を施し、より的確な情報目録にしていきたい。

神奈川大学デジタルアーカイブ

戦意高揚紙芝居コレクションは、絵巻物・のぞきからくり・うつし絵・無声映画の活弁など、<見ながら話を聞く>という日本の視聴覚文化の伝統のもとにあるとされている。1950年代中盤以降、家庭へのテレビの普及にともない街頭から徐々に姿を消したが、戦前・戦後の興業ピーク時には、東京だけで一日に100万人の観客(子ども)を集めていたと言われている。しかしまた、新聞・ラジオ・映画と並ぶ教化性の高い大衆メディアであった紙芝居は、15年戦争に突き進んだ大政翼賛時代の言論統制下において、例外なき戦争プロパガンダの一翼を担うこととなった。この時期に制作された一連の印刷紙芝居は「国策紙芝居」と呼ばれるが、敗戦から占領に至る期間に多くが焼却され散逸した。本センターが収集した「戦意高揚紙芝居コレクション」は、主に1941年から1949年の間に日本教育畫劇(1938年結成日本教育紙芝居協会の紙芝居出版機関)から刊行されたものを中心とした241点によって構成されている。旧蔵者は、『戦争と紙芝居』などの著作において、一貫して、戦時下の諸メディア・諸団体の動向と文化人の戦争責任に係る資料を発掘してきた櫻本富雄氏である。 画像は著作権をクリアしたものから順次公開する計画である。また、神奈川大学放送研究会の学生諸君の協力を得て、音声データの収録も進めている。